地下鉄天神駅からイエローサブマリン マジッカーズ福岡店までは、2番出口を出て、すみちかを通るのが一番早い。

 頻繁に足を運ぶ場所までの最短経路を探すのは、私の小さなこだわりの1つだ。そして、今日のように待ち合わせの時刻に遅れているときには、この小さなこだわりに感謝をすることになる。
 色褪せた「禁煙」のステッカーを嘲笑うかのようなヤニの臭いを鼻先に感じながら、私は足を急がせた。"あの人"を待たせている。

 地上へと通じる扉を開けると、ムワッとした空気が私に纏わりつく。9月に入ったとは言え、外気温は30℃近く。長袖のお世話になるのは、まだまだ先になりそうだ。
 直進して、大通りにぶつかったら左折。何も無ければまず立ち入ることはないであろう雑居ビルの3階に、イエローサブマリン マジッカーズ福岡店はある。"あの人"との待ち合わせの店。

 やってきたエレベーターに乗り込んだとき、私は久しぶりに自分の心臓の音を聞いた気がした。どのような時間が私を待っているのか。どのような言葉を"あの人"から引き出せるのか。"不安"と"期待"とを上皿天秤に乗せれば、2人でシーソー遊びを始めるに違いないと思った。

 エレベーターのドアが開く。私は小さく深呼吸をして、重たい左足を一歩前に踏み出した―――





ぬん「すみません遅くなりました~~」

ヒロさん「あー、お疲れ様です」









・・・というわけで、みなさんキャッチーですか。ぬんです。







皆さんお待ちかねだったということにしといてください、新企画・『福岡ボドゲ界隈へようこそ!』です。




企画概要はこちらの記事をご覧いただきたいのですが、ざっくり言えば、


 ・ぬんが福岡のボドゲ界隈でご活躍中の方にインタビューをする。

 ・その方オススメの2人用(もしくは2人プレイ可の)ボドゲをいっしょに遊ぶ。



みたいな感じです。



なお、企画発表からスタートまでに2ヶ月強もの時間が経ってる旨については、一切コメントを受け付けませんので以下よろしくです☆







記念すべき第1回目にお付き合いいただくのは、ヒロさん!です!



福岡県糟屋郡で、平均40~50人が参加するオープン会・『福岡ボードゲーム交流会・ボドゲラボ』を毎月開催されているヒロさん。

2016年7月には、福岡アニメイベント企画さんと『福岡ボードゲームフェスタ2016』を共同主催し、200人以上を動員する等、現在の福岡ボードゲーム界隈において抜きでは語れない存在となっています。


私個人的にも、オープン会に通い始めてからずっとお世話になっている、優しいお兄さんです。







2016年9月3日に、イエローサブマリンマジッカーズ福岡店にて、インタビュー&ボドゲプレイを敢行してきました。


どのような形で記事にまとめようかすごく迷ったのですが、ボドゲプレイ編とインタビュー編に分けて、今日はボドゲプレイの様子をお伝えできればなと思います。













それでは、行ってみましょう。




福岡ボドゲ界隈へようこそ!
















◆「ぬんさんアメリカとソ連、どっちがいいですか」




イエサブに集合した時点で15時。

まずはボドゲのプレイをしてから、その後ゆっくりお話を伺うということになりました。









今回ヒロさんにオススメいただいた、2人用ボドゲは・・・
 



 
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ぬん「これが噂の」
 
ヒロさん「そう、『トワイライト・ストラグル』です。ぬんさんアメリカとソ連どっちがいいです?」



 
 


2人用
180~300分



トワイライト・ストラグル。


冷戦がテーマとなっており、1人がソ連、1人がアメリカを担当する、非対称の2人用対戦ゲームです。
 
世界最大のボードゲーム情報サイト・Board Game Geekの人気ランキングで長年1位を誇っていましたが、執筆時点では『パンデミック・レガシー:シーズン1』にその座を明け渡しています。
 



 
 
 
 
ヒロさんのお話によると、あらゆる面で史実がしっかりと再現されているゲームだそうな。





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例えばカード。

このゲームには110種類110枚のカードが登場するのですが、その全てに冷戦中に起こった実際の出来事のタイトルが付けられており、カードの効果ももちろんその出来事を再現するかのような内容になっているという。










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例えばターン。(このゲーム、他のゲームでいうところの「ラウンド」を「ターン」と呼んだりして、ちょっとややこしいのです。)

ゲームは最長で10ターンプレイされるのですが、1945~1989年の冷戦のうち、どのターンがどの辺の年代を指すか、がルールブックに書かれています。

第4ターンには、「はいはい今大体1950年代末ぐらいね」とか思いながらプレイすると楽しい。






さらに、第1~3ターンが序盤、4~7ターンが中盤、8~10ターンが終盤と分けられておりまして。

ゲーム開始時には序盤戦用のカードしか使わないのですが、中盤や終盤では、実際に中盤の時代に起こった出来事のカード、終盤の時代に起こった出来事のカードがそれぞれ追加で投入される感じ。


要するに、冷戦を再現しているかのような臨場感が楽しめるっちゅうことなんですな。










 
さらに史実に基づいているのが、このゲーム、序盤がソ連有利で、終盤が近づくに連れてアメリカ有利になっていきます笑



序盤から滅多打ちにされるとへこむなあ・・・

というわけで、ヒロさんがアメリカをぬんがソ連を担当することになりました。

 


 
















◆ルールなんとなく説明




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ボードの全景はこんな感じ。パンデミック的な世界地図が書かれています。








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よく見てみると、それぞれの国には正方形が2つと、右上に小さな数字が。

アメリカとソ連は、自国の影響力マーカーを世界中に配置していきます。

で、その影響力が右上の数字を超えると、その国を支配したことになりますよと。








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双方が影響力マーカーを置いている場合は、自国の影響力と敵国の影響力の差が、右上の数字以上になれば支配できます。

例えばオーストリアだと、青のアメリカがあと3影響力を置けば支配できる感じ。(アメリカ5-ソ連1=4)










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プレイヤーは1ターンに8~9枚配られるカードを使って、あちらこちらに影響力を配置したり、宇宙開発競争に精を出してみたり、他国でクーデターを起こしたり、まあ色々していくわけです。

で、たまに地域ごとに得点計算が起こります。

アジアの主要地域を相手より多く支配し、かつ主要地域でないところも1カ所以上支配してると7点、的な。























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さて、各プレイヤーにはターン開始時にカードが8~9枚配られると言いましたが・・・

カードには、アメリカっぽいカード、ソ連っぽいカード、中立のカードと3種類あってですね。




例えばソ連側のぬんから見ると、ソ連っぽいカードと中立のカードは、

・カードに書かれている効果を発揮する。

・カードに書かれている効果を発揮せずに、カード左上の数字を使って影響力を配置したりなんだりする。

の2択があるわけですたい。

もちろんソ連っぽいカードにはソ連に有利なことが書かれてますし、数字の大きいカード程強いことが書かれてますので、効果も使いたい!でも左上の数字も使いたい!的なジレンマに苛まれます。





で、問題はアメリカっぽいカードを引いた時ですよ。

・カードに書かれている効果を発揮したあと、左上の数字を使って影響力を配置したりなんだりする。


の1択。

要するに、自分の手番なのに、相手に有利な効果が起こってしまうのです!omg!





ターンに配られるカードのうち、このターン使わずに次ターンに持ち越せるのは1枚のみ。

また、得点計算カードは引いたそのターンに使わなければなりません。辛い。












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ただ、憎ったらしいアメリカのカードを、効果を使わずに処理する方法があります。

それが、1ターンに1度だけできる宇宙開発競争

カードを1枚、効果を発動せずに消費し、ダイスをコロコロして宇宙への進出を図ります。

相手より開発が進んでると、勝利点がもらえたり、色々ボーナスがある感じ。















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10ターンが終了した時点で、勝利点をより多く獲得しているプレイヤーの勝利。

10ターンが経つ前でも、相手に20点差をつければ、その時点で勝利となります。



















◆ワンちゃん、宇宙へ行く。



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1時間ほどかけてインストが終わったところで、早速冷戦始めるわよ~~!


ぬん「歴史を変えてやりますよ。」

ヒロさん「やれるもんならやってみてくださいw」











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アジアの得点計算カードを引いたので、バレない程度にアジアに影響力を配置していくぬん。










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その間にヒロさんはヨーロッパに対する影響力を高めていきます。

ぬん「なんやこれ真っ青やんけ・・・ヨーロッパの得点カード引いてるのかしら」

ぬん「(でもまあまだ支配されてる地域は少ないし大丈夫かな)」




結局このターン、ヨーロッパの得点カードは出てこず。

アジアでブイブイ言わせてたぬんが、小さく得点を稼ぎました。










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2ターン目。ソ連っぽいカードばっかり!いいぞ!









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序盤ソ連有利というのはどうやら本当らしく、カードパワーでゴリ押してヨーロッパにちょっかいをかけていくぬん。

序盤戦では「アジア」「ヨーロッパ」「中東」の3地域でしか得点計算は起こらない、とのインストを受けていたので、中東の支配も進めていきます。




ぬん「どやぁ」

ヒロさん「ぐぬぬ」


ヒロさんがたまに「ぐぬぬ」って声に出して言うのが、ぬんはすごく好きです。











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宇宙開発でも一歩リード。ぬんはワンちゃんを宇宙に飛ばしました










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だがそこは流石のヒロさん。

しっかりヨーロッパ・中東もカバーしつつ、アジアの支配も崩そうとしてきます。こっち来んで!





結果的に、ヒロさんがうまいタイミングで牽制をしかけ、ぬんはヨーロッパでも中東でも大量得点に失敗。

序盤戦が終わった段階で7点程リードしていたのではないかと記憶しています。

このリード、終盤戦まで守り切れるのかしら・・・



















◆「手札見せてくーださい♪」



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中盤戦に入った第4ターン。

ぬんは、このターン終了時までアメリカの手札を公開させるカード「ケネディ暗殺」をプレイ。




ぬん「手札見せてくーださい♪」

ヒロさん「ぐぬぬ」



当たり前ですけど、相手の手札見えてるとだいぶ動きやすいですこのゲーム。

場を支配してる感がすごい。








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宇宙開発競争でも少しずつ差をつけ、ヒロさんがワンちゃんを宇宙へ送り出した頃には、ぬんは人間を地球周回軌道へ放り込んでました。









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中米やアフリカにも、いい感じに唾をつけていきます。

一方、ヒロさんに邪魔されて南米には入れそうにありません。いやらしい!














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第5ターンには、アジアはもう完全にヒロさんのものって雰囲気。

ヨーロッパもだいぶ攻められてるなあ。



点差はあるものの、「終盤になるに連れてアメリカが有利になっていく」という情報を思い出し、内心ビクビクしてました。






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しかし!ここでぬんは「ベトナムの泥沼」を発動!

第6ターンから、ヒロさんの手札を1枚減らしにかかります。









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さらに、中米の得点計算で追い打ち。


ぬん「だいぶ余裕出てきたかな」

ヒロさん「まだまだ・・・!」
















しかし、上がってきたアメリカのカードパワーと何故かめっちゃ走る出目を活かし、支配範囲を取り戻してくるヒロさん!



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アフリカがほぼ取られっちまっただ。









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しかし、安定度の低いアフリカは、情勢がひっくり返りやすいのだよ!ふふふ!















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そのままアフリカの得点計算になだれ込み、一気に点差を広げます。









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でも地図的にはまだまだアメリカ有利そうよねえって感じで、中盤戦終了です。

















◆「(もしかして無いのではwww)」



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第8ターン目辺りは、本当に辛かった記憶しかないです。

カードパワーも去ることながら、ヒロさんの出目の良さにゴリ押され、宇宙開発競争まで追い付かれてしまいました。










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て、手札にソ連カードが全然来ねえ・・













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それでもメゲナイ!ショゲナイ!泣いちゃダメ~!

カードの効果を有効活用し、ヨーロッパ~中東にかけての支配を徐々に取り戻していきます。













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南米には、チリにちょこっとだけ入れてもらえました













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そして第9ターン!ついにゴルバチョフが登場!










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ヨーロッパいただき♡











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からの中東で大量得点よ~~!

第9ターン終了時点で13点差、だったかな?




ぬん「これ、歴史変わるのでは・・・?」

ヒロさん「まだあきらめない・・・」













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そして運命の第10ターン目。

南米、アフリカ、アジア辺りは青色が目立ち、得点計算来るとダルいなって印象。







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そして手札が青い・・・辛い・・・




しかし、ヒロさんの打ち方がなんだか弱々しい。

特定の地域を狙っている様子も見えない・・・





ぬん「(これ・・・得点カード・・・)」


ぬん「(もしかして無いのではwww)」











と油断してると、普通にカードの効果で点数を稼ぎに来るヒロさん。


遊戯王で言うところの『治療の神ディアンケト』的なアレです。分かる人だけ分かれ。


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そして、ついに終戦。5時間にも渡る激しい攻防を制したのは・・・










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ぬんでした!

世界は社会主義に染まりました(*´ェ`*)






ぬん「ありがとうございました!」

ヒロさん「ありがとうございました~悔しい~」

















というわけで、新企画一発目は、ヒロさんに『トワイライト・ストラグル』を遊ばせていただきました。

なかなか遊ぶタイミングがなさそうなゲームだったので、こんな機会に恵まれて幸せです。

ヒロさんありがとうございました~。



ちなみに、『猿でも勝てるトワイライトストラグル』というキャッチーなサイト様がありまして。

そちらでは、各種攻略や指南の他、それぞれのカードの史実に基づいた背景なんかについても詳しく書かれてて、これを読みながら冷戦に思いを馳せるまでが『トワイライト・ストラグル』らしいです。ヒロさん曰く。







さて、この後ヒロさんと私はイエサブを出て、本題であるインタビューに臨むわけですが・・・

それはまた次回ということで。いつになるのかしらね次回。乞うご期待です。