みなさんキャッチーですか。ぬんです。


















すべてのボードゲーマーは、2種類に分けることができます。

すなわち、どちらかと言えば未プレイのゲームをどんどん遊びたい派のボードゲーマーと、どちらかと言えば同じゲームを繰り返し遊びたい派のボードゲーマーです。











私はと言えば、


様々なシステムやプレイ感に触れて「おー!」ってなりたい!

知らない世界をもっと知りたい!



的な理屈から、どちらかと言えば未プレイのゲームをどんどん遊びたい派です。




通算プレイ回数が10回を超えるようなゲームって、よっぽど軽いものを除けば、本当に大好きな何タイトルかに絞られるんじゃないかな。












今日ご紹介するゲームは、その大好きな何タイトルかにランクインしそうな勢いのあるタイトルです。

セットアップ+インストに1時間、実プレイに人数×1時間はかかってしまう決して軽くはないゲームなのですが、なんだかんだこの6日間で3回立卓するに至りました。



この感じは、去年ドンハマりした『SCYTHE』か、はたまた買った月に5回遊んで、それ以降パッタリとやらなくなった『オーディンの祝祭』以来じゃないかしら…

オーディン久々にやりたいな…。










というわけで、今日は秋の訪れとともにやってきた、こんなタイトルのご紹介だぞ。













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『Clans of Caledonia』です。キック発。

テンデイズさんより日本語版の発売がアナウンスされています。







作者のJuma Al-JouJouは、ドイツ出身の『テラミスティカ』大好きっ子。

そんな彼が、『テラミスティカ』や『マルコポーロの足跡』、『ナヴェガドール』といったビッグタイトル達から、おもしろエッセンスを本歌取り的に拝借して完成させたのがこの『Clans of Caledonia』という寸法だ。

さらに、イラストレーターは『アグリコラ』でお馴染み・Klemens Franz氏というオチまで付いて、国内ではプロジェクト開始当初から話題でした。













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さて、ゲームの舞台は19世紀のスコットランド。ちょっとピンと来ない感じです。


スコットランドには歴史的に氏族というコミュニティがあるらしくて、多分日本で言うところの戦国大名みたいなやつだと思うんですけど(適当)、自分の担当する氏族に富と名声をもたらしまっしょいというのがこの『Clans of Caledonia』の目的。

じゃあ具体的にはどうするのよ?って言うと、輸出事業で一山当てましょうみたいなそんな感じです。











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ゲームは全部で5ラウンド。

自分のターンが来たら、全7種のアクションのうち1つを選んで実行するか、パスするかを選びます。

一度パスすると、そのラウンドではもう自分の手番は回ってこないぞ。ハードパスってやつだ。

全員がパスすると1ラウンドが終わり。これを5ラウンド繰り返して、最終得点計算の後、最も多くの勝利点を稼いだ氏族の勝利です。






それでは早速、このゲームで取れる7種のアクション、ざっくりご紹介だ。
















まずは分かりやすいところで①展開から。






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自分の個人ボードには、労働者や家畜や建物を表すユニットと呼ばれる駒がズラリ。







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これをメインボードへと出しましょうみたいなアクションです。










出してる駒によって、ラウンド終了時にもらえるものが増えるイメージだ。




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木こり鉱夫からはお金が、







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麦畑からは、それぞれ毛玉牛乳といった生産物がもらえます。










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建物がちょっと特殊。

例えばベーカリーは建ててるとパンがもらえるのではなく、「麦1個をパン1個に加工する権利を得る」みたいなイメージだ。てかパン駒可愛すぎじゃない?








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他に、麦をウイスキーに加工出来る蒸留所と、牛乳をチーズに加工できるチーズ工場があります。平和か。












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そんなほんわかした感じのユニットたちなのですが、設置のためにはユニット本体の値段+土地代という二重の支払いが必要だったり、新しいユニットは自分のすでに置いているユニットに隣接するマスにしか置けなかったり、ユニットの種類によって展開できる地形が決まっていたりと、なかなかの困ったちゃんです。


でもねー、ヘクス上にあれこれ展開してるだけでもうワクワクするからズルいよね。ズルです。














続いて、②輸出契約書の獲得




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このボードから1枚選んでひょいとゲット。








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保持できる契約書は1人1枚まで。達成しない限り、次の契約書を取ることはできません。


コストは、1ラウンド目はマイナス5金!なんと取るとお金がもらえちゃうのだ!

2ラウンド目は0金。以降、支払額が5金ずつ増えていきます。ヒィ…












で、獲得したからには③輸出契約書の達成です。




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契約書の左に描かれているものを支払って、右に描かれているボーナスを受け取りますよと。







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…ん?左に描かれているこれは肉?でも肉駒なんてなかったはず…

じゃあどうやって支払えば…








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そうだね。と殺だね。

出ている羊ユニットや牛ユニットを個人ボードに戻すことで支払います。









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得られるボーナスのメインは、ゲーム終了時の勝利点になる綿花・タバコ・サトウキビ。地理の教科書~~!て感じの組み合わせだ。

他にも、現金がもらえたり、土地代が無料でユニットが展開できたりと、契約内容によって様々です。












おっと、どうしました?何かお困りのようですね~~


なになに?「輸出したいけどチーズが足りない」
こっちは?「ウイスキー作り過ぎちゃったわ!」
うんうん、よくあるよくある。


そんなあなたのために!ご用意しました!ババン!④取引






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こっちのボードを使って商品売買だ。








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売買には商人コマが必要よ!









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売買したい個数分の商人コマを置いて、売るなり買うなりしますよと。

上の写真は、1個5金の牛乳を10金払って2つ買う図。









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面白いのが、買ったり売ったりしたことによって、その品物の値段が変動すること。

買った後には値段が上がり、売ったあとには値段が下がります。うーむ。





じゃあ買う→値段上げる→すぐ売るってすれば錬金術なのでは???


なんて思いついちゃったあなた。甘い!!!!!

1ラウンド中に、同様の品物について購入・売却両方を行うことはできません。


「19世紀のスコットランドでは、そんな忙しい取引は行われていなかった」ってルールブックに書いてありました♨













残る3つはパワーアップ系(?)だ。




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使える商人コマを1個増やす⑤商人の雇用








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川や湖を挟んだマスも隣接しているものとしてユニットが展開できるようになる⑥航海アップグレード







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木こりや鉱夫から得られる収入を増やす⑦道具アップグレード


⑤⑥⑦いずれもお金がかかります。











この7つを、好きな順番好きな組み合わせで好きな回数好きなだけ、まあ具体的にはお金が尽きるまで、順繰り順繰りやっていきますよと。


全員がパスしたら、各ユニットがあれこれ生産をして、






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ラウンド毎にこれ持ってたら〇個につき〇点、みたいなボーナス点が入りつつ次のラウンドへ…みたいな感じ。


これを5回繰り返すだけ。意外とシンプルだ。













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最終得点計算は、この手のタイプの紙を使うポイントサラダ的なアレです。

輸出契約書に描かれた綿花・タバコ・サトウキビからの点数がやっぱり一番大きいかな。

余ったお金・生産物・加工物からの点数の他、契約書の達成っぷりユニットの展開っぷりが他のプレイヤーよりも優れていると、そこそこ大きな点数が入ります。


最多得点を取ったプレイヤーの勝ち。














さてここで、敢えて説明していない2つのキャッチールール!これらを説明していこうか!









その1!隣接ボーナス!そう、テラミスティカ的なアレだ!





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他のプレイヤーの木こり&鉱夫以外のユニット!






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こいつらに隣接して自分のユニットを展開すると…






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なんと隣接ボーナスとして、相手のユニットが生産ないし加工し得る商品が、お安く購入できちゃうぞ!

毛玉・牛乳・麦は2金安、チーズ・パン・ウイスキーは3金安です。








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さらに、複数の相手のユニットに隣接すれば、それぞれのユニットについて隣接ボーナスが発生するって言うんだから、これは上手く活かさない手はないぜ。

ただし購入には、通常の取引時と同じように商人コマが必要、購入後の価格変動もバッチリ起こります。











その2!氏族毎にめちゃ強特殊能力がある!そう、マルコポーロ的なアレだ!





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ゲーム開始時、プレイ順とは逆順で担当する氏族を選択するのですが…

契約を2枚保持できるマンや、ウィスキーを自分の手元で熟成できるマン湖の中にワーカーを設置できるマン等、ここまで説明したルールをことごとくブレイクしていく感じでテンション高めです。楽しい。




この2つのキャッチールールも駆使しながら、ナンバーワン氏族を目指しましょう。
















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『Clans of Caledonia』、これだけのおもしろ要素を、これだけ隙なくハイブリッドしてるのもすごいと思うのですが…

プレイ感をキツさよりも楽しさが勝るか勝らないかぐらいの絶妙なラインに持ってきた辺りが、なんかツボを押さえられちゃってる感じがします。









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辛いのは辛いのですが、締め付け過ぎてる感じもしないし、見るべき要素がギリギリ全部に目が届くぐらいの量と複雑さに抑えられてるから、結果なんかすごくワクワクして作戦とか立てちゃうみたいな。

ラウンド終了時のボーナスと、自分の手番順と、初期資源とにらめっこしながら氏族を選び、選んだ氏族の能力と、盤面と、自分の生産状況を見ながら、理想のプレイを組み立てていく。

っていうプランニングだけでさ~~なんかもう幸せなのですよ。上手く行けばなお楽しい。





しばらくはハマって遊ぶことになりそうです。














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ということで、『Clans of Caledonia』のご紹介でした!

気になる方はいっしょに、レッツ・エクスポート!