みなさんキャッチーですか。ぬんです。


















バタバタしている間にもう大晦日ですね~。

2018年も、残すところあと僅かとなりました。





この年末気分に乗っからない手はないぜ、ということで、毎年恒例となりました、今年初プレイだったゲームの中で、印象に残ったタイトル30選について、ダラダラ書いていきたいと思います。

今年初めて遊んだってだけで、今年の新作ばかりではないです。

また、点数や順位を付けるのがどうも苦手なので、順番は遊んだのが早い順にしてみました。




長くなりそうですが、お付き合いいただけますと幸いです。












1.ファンフェア(Funfair)


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遊園地行くぞ!
アトラクションを模した8つのミニゲームが収録されていて、そのうち4つを遊ぶことでポイントを稼いでいく。面白いのが、その8つのゲームはそれぞれ別のデザイナーが作ったものであること。フリーゼだったりブラント夫妻だったり。このオールスター感は実質スマブラですね(違う
ミニゲームはパーティ寄りのおちゃらけたものが多くて、目を閉じたプレイヤーの腕をアームに見立てて、別のプレイヤーが「前!右!」と指示を出す「UFOキャッチャー」や、2人1組で腕を組んで、前後左右に傾くことで慣性働いてる感を醸す「ジェットコースター」など大爆笑必須。こんな平和なゲームある???
さらにクレイジーなのが勝利条件。4アトラクションを経てポイントを最も多く稼いだプレイヤーの勝利…ではなく、そのポイントを福引券に変換、順にくじを引いていって、1個しかない当たりを引いたプレイヤーの勝ちという。なんやそれ。何もかもが馬鹿馬鹿しくて賑やかで、本当に愛すべきゲームです。






2.リバーボート(Riverboat)


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2017年はキースリングの確変年で、『アズール』や『ヘヴン&エール』等関連作のクオリティが軒並みすごいことになっていたわけですが、今年に入ってからプレイした今作もまた素敵な出来でした。
フェイズ名が描かれたタイルがズラズラと並ぶと「おっ!?ヴァリアブルフェイズオーダーか!?」って思いがちですけど、『リバーボート』では各フェイズについて、そのタイルを取った人から始めて時計回りに処理を行っていきます。また、タイルを取った人にはそのフェイズでちょっとしたおまけというか、ボーナスもある。シンプルだけど熱いんだこれが!
他にも自分だけが行う決算の内容とタイミングを選ばせてみたり、勝利点とは別の基軸で進む駒があったりと、キースリングらしさを感じさせつつ、しっかりと悩ましい要素が随所に組み込まれているのが、遊んでて嬉しくなっちゃいます。この悩ましさやプレイ感は、初心者向けのゲームのものでは決してないとは思うのですが、なんだろう、ボードゲームを始めた当時のワクワク感の延長線上にあるものって感じがすごくするんですよね。クラマーと組むとその傾向がさらにブーストされる印象があるので、これからも黄金コンビの活躍を楽しみにしています。






3.数エーカーの雪(A Few Acrs of Snow)


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ワレスのデッキ構築 meets ウォーゲーム!17~18世紀の北米を舞台に、プレイヤーのうち1人がイギリス軍を、もう1人がフランス軍を担当する2人用ゲームです。
複数の機能を持つ地域カードを上手く組み合わせながら、新たな地域に自軍の駒を配置、これによって新たな地域カードが手に入るという、ボードとデッキ構築との絡み方がもう最高です。直感的で分かりやすく、システム的にも美しく、実際に触っていても楽しい。この部分のインストしてるときの私めっちゃニコニコしてますからね。私と遊んでくださる方は、向かいでニコニコしながら聞いててください。
上で順位を決めるのが苦手で云々とか書きましたが、2018年初プレイだったゲームの中で、ぶっちぎりで一番好きなタイトル。なんかもうずっと楽しいんだよなあ。その選択肢の多さと正解の分からなさに最初は戸惑ってしまうことかと思いますが、何回遊んでもやっぱり戸惑ってしまうので大丈夫です(?)。2人用長時間ゲームという取り回しの悪さと、インストの面倒臭さはやはりネックではあるので、来年は定期的に付き合ってくれるエカ友(数エーカー友達の略)を募集します。






4.托卵


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2017年に活動を休止されたボードゲームサークル・TRYGOODさんの4人専用協力ゲーム。tennkyuuさんからお譲りいただきました。
4種類×5枚=計20枚のカードをよくシャッフルし、全員に5枚ずつ手札として配布。自分の手番には、任意のプレイヤー1人の名前と、交換する手札の枚数を宣言。宣言した枚数の手札をお互いに交換します。この際、カードの内容については一切相談禁止。これを各プレイヤーが2回ずつ実施した後、全員が「1つの種類のカード5枚を持っている」という状況を作れていれば勝利です。
(これ…ゲームになるんか…?)と不安になるレベルのシンプルさなのですが、めちゃくちゃ面白くてびっくりしました。『ごいた』や『花火』、少し毛色は違いますが『ティチュー』辺りにも通ずる、ディスコミュニケーション状態でアクションに想いを託す感じがすごくいいのですよ。成功したときの気持ちよさは言わずもがな。和テイストなイラストも素敵。






5.ヌスフィヨルド(Nusfjord)


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重量級ワーカープレイスメントと言えばウヴェちゃん。ウヴェちゃんと言えば重量級ワーカープレイスメント。2016年に『オーディンの祝祭』でその1つの到達点を見せてくれた彼ですが、2017年には要素をガッツリ絞った中量級ワーカープレイスメントである本作を発表し、我々を驚かせました。我々って誰々だよって感じですが。
ワーカーの増減はなく3人で固定!資源も魚・木材・金の3種類だけ!これらを消費して船や建物を建築!という、かなりオーソドックスなつくり。ですが、魚をフックに株と長老というおもしろシステムを仕込んでみたり、ストックへの建物の補充がドラマチックだったりと、平坦でも平凡でもない特別な一作に仕上げてくる辺り、流石ウヴェちゃんといった感じです。
使用するデッキ(=建物のセット)によって試合展開も変わってくるため、リプレイ性が高いのも魅力。あまり同じゲームを回数遊ぶ方ではないのですが、今年だけで6回遊べたぞ。エッセンで買った拡張デッキも、そのうち日本語化して稼働させたいです。あーやらないやつだこれ。






6.バレッタ(Valletta)


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ドーラ作のデッキ構築。teniさんに遊ばせていただきました。
5枚の手札のうち3枚を使うタイプのデッキ構築。資源を払って場の建物カードに建物を建てると、そこに乗っている人物カードが手札に入るという仕組み。人物カードのテキストがシンプルなものに抑えられていたり、バレッタ駒というプレイに盛り上がりを付ける要素があったりと、めちゃくちゃ好印象な仕上がり。
そんな中でも特に最高なのが最終ラウンドルール!トリガーが引かれた時点で、捨て札と山札をすべてリシャッフル。通常通りプレイを続行しますが、次に山札が尽きたらリシャッフルをせずにゲームから離脱する、というルールです。
これ衝撃でした。何がすごいって、圧縮が全然正義じゃなくなっちゃうんですよ。トリガー引かれてからもいっぱい手番したいもん。でも、最終ラウンドに入るまでは強いカードガンガン回したいし…。思ってもみない角度から悩ましさを突きつけられて、感動したのを覚えています。






7.ボンク(BONK)

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今年1番回数遊んだゲームです。
大きな木製のボールを、相手のゴールへと入れることで得点を重ねます。ではどうやって木製のボールを運ぶかと言えば、手元の台から小さな鉄球を発射して、ボールにぶつけるという。
あっ!!今(なんだよ子供だましのおもちゃやんけ)みたいな顔しましたね!!めっちゃ難しいんですよこれ。絶対当たると思って打った鉄球がかすりもしない。そして木製のボールに当たらなかった鉄球は、そのまま相手の陣地に流れていっちゃうので、自分が使える鉄球が減っちゃうんですね。
もっと言えば、どちらかがゴールを決めた後も、手元の鉄球の数はリセットされずに続行するので、こっちのチームには鉄球が1個だけ、あっちはジャラジャラ、なんて状態から3点ビハインドをなんとかしなくちゃいけなくなったりするわけです。この「下手な鉄砲を数打つと負ける」的な、ちゃんと鉄球をリソースとしてマネジメントしなきゃいけない辺りが、めちゃくちゃアツいです。置いてあると無限に遊んじゃうやつ。
あと、ラウンドを開始する度に「BONK!」と叫びながら、両隣のプレイヤーとハイタッチをするのが楽しい。アメリカン(?)な気持ちになります。






8.カノジョが下着を決める5つの理由。


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こちらもTRYGOODさん。デートに誘った女の子が、どんな下着を身に着けてくるかを予想するゲームです。もうお腹いっぱい感すごい。
プレイヤーのうち1人が彼女役。それ以外のプレイヤーは、「どんな男性が」「どんな女性と」「どんなきっかけで」「いつ」「どんな場所で」デートをするかというシチュエーションを考えます。彼女役は、「一部が透明抜きにしてあるクリアファイル」と「下着の柄の紙」という最高に最低なコンポーネントを使って、そのシチュエーションで女の子が履いていきそうなものやダミーのものなど、合計4着の下着を作成。他のプレイヤーは正解の下着を予想し、当たり~~だのハズレ~~だの言いながら得点計算です。何て言うかこう、日本って平和な国だなと思うよ。
下世話も下世話だし、遊ぶ人も選ぶゲームではあると思うので、出す度にドキドキしてるんですけど、大体みんな楽しんでくれて、「今度柄のついた紙いっぱい持ってくるわ」とか言ってくれます。それっぽい紙を買いに行って、そのままこれ遊ぶ会とかやりたいですね。いややりたいか?






9.贋札づくり(Falsche FuFFziger)


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フリーゼのデビュー作。呼び方「贋札づくり」派と「贋金づくり」派がいるっぽいんですが、私は贋札派です。「私は贋札派です」ってかなり危ういセンテンスだな。もちろん本物のお金派です。
贋札を資金洗浄で本物のお金(日本銀行券のことじゃなくて、ゲーム上の資源です…ややこしいな)に変えて、最終的にはレアな古銭の獲得を目指す、というかなり尖ったテーマですが、それに寄り添ったシステムも負けず劣らずのヤンチャっぷりです。なぜかマストフォローが導入され、スタートプレイヤーが出した種類のお札でしか入札ができない古銭の競り。上手く行けば性能がアップしますが、最悪の場合爆発してしまうこともある贋札印刷機の改造。本当にこれ要る…?と思えるほどの複雑なステップと細かいルール。でも遊んでみると全部要るやんけってなる。
デビュー作故か時代故か、荒い感じは否めませんが、それでもフリーゼがフリーゼたる所以をしっかりと感じられるのが嬉しい一作です。






10.ゼンドー(Zendo)


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2000年代初頭の帰納・推論系ゲーム。長らく入手難の状態が続いていましたが、2017年に新版がリリースされ、多くのギーク達を喜ばせました。
出題者は、「こんな条件を満たす建物がZENDOである」というルールをこっそり決めます。で、他のプレイヤーは積み木を使って建物を作り、「先生!これはZENDOですか!」と尋ねる。出題者の「これはいいZENDOですねえ」「いやーこれは全然ZENDOじゃないですねえ」といった判定を元に条件を絞り込んでいき、出題者が決めたルールをバッチリ当てることができたプレイヤーの勝利です。
脳みその変な部分を使わされる感じがしてめちゃくちゃ好きです。自分の中で大方条件を絞り込めて、確認の意味で建ててみた建物に「ZENDOじゃない」判定をされたときの「ん~~~!?」感がたまりません。
あとは設定自体がもう愉快というか、適当に師匠と弟子ごっこしてるだけでも楽しくて好き。出題者になったときに、「お前らZENDO舐めてんの?」って言うのがお気に入りです。オラオラ系師範。






11.スコットランドヤード:カードゲーム(Scotland Yard: Das Kartenspiel)


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あのスコットランドヤード、通称スコランが、正体隠匿系(正体を隠匿するとは言っていない)になって帰ってきた!
スコランと言えば、プレイヤーのうち1人が扮するMr.Xが、他のプレイヤー扮する刑事から逃げ回る、という名作ゲーム。しかしこの『スコットランドヤードカードゲーム』、ゲーム開始時点では誰がMr.Xになるのか、本人すらも分かりません。ゲーム中に「あっ俺Mr.Xだったんだ」とふと気づくという。しかも場合によってはMr.X役が他のプレイヤーに移ることもあるという。どんなフレイバーだ。Mr.Xは、手札に隠し持っているMr.Xカードを公開させられないよう、正体を隠しながら、時には開き直って晒しながら、場をかき回していくことになります。
正体隠匿系もスコランもそこまで好きじゃないんですけど、やる事的にはスーパードラマチックババ抜きぐらいの感じなので、気楽に雑に適当に楽しめて好きです。連戦率高い。






12.愛の放擲


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つばきやさんがゲムマ2018春で頒布したゲーム。いやゲームと言っていいのかこれは。
カードは、ハート型のカード、セリフカード、詩カードの3種類。そのいずれにも、ゲーテやルノワールといった有名所(なのかな?私はピンと来ないものも多かったです)から引用した詩・ポエムの類が書かれています。もう良い予感しかしません。
スタートプレイヤーは最も傷ついている人。ハート型のカードに名前を記し(或いは息を吹きかけ)、台座の上へと載せます。その後、他のプレイヤーによって、開会宣言よろしくセリフカードの朗読が行われます。そしていよいよゲーム開始。時計回りに詩カードを1枚引いては読み上げ、台座の上へと載せていく。手番を重ねるうちに、なんかこう、変に敬虔な気持ちになってきます。台座が崩れたらゲーム終了。スタートプレイヤーは、最初に載せたハートカードに書かれた文言を確認します。それを読み上げてもいいし、読み上げなくてもいい。なんやその余韻の残し方。好きです。
完全にアクティビティ寄りのアイテムで、展開される空間は明らかに独特なのですが、なんかこれネタにして笑っちゃいけないんじゃないかっていう妙な真剣味が伝わってくるんですよ。神聖と言うか、儀式的と言うか…何だろうなあ。1回遊んでみて欲しいです。






13.スピリット・アイランド(Spirit Island)


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2017年、キックスターター初の協力ゲームです。
探検家になって島を開拓!…するのではなく、島に宿る精霊になって、侵入者である探検家達を蹂躙するという、スケールの大きなフレイバー。島のあちらこちらに基地やらなんやらを建てようとする探検家たち。それを追い払う精霊となると、自然の力を使って天災起こしちゃいました(てへ)みたいな話になるのですが、それ以外にも探検家たちに恐怖を植え付けて追い払うという選択肢があったりして愉快です。
あっちもヤバいこっちもヤバい的な感じは『パンデミック』を、精霊の力を体現したカードの取り回しは『コンコルディア』を彷彿とさせて、複雑かつ高難易度だからこそ面白い、濃密な協力ゲームに仕上がっています。追加ルールや拡張の類もたくさん用意されているようなので、どんどん遊んでいきたいところなのですが、インストに勇気と体力が要るのでご無沙汰になっちゃってますね…






14.マリア(Maria)


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ウォーゲームというものに今までほとんど馴染みがなかったのですが、『数エーカーの雪』をきっかけに、ユーロテイストの強いものに楽しさを見出せるようになってきて、そんな中驚異のぶっ刺さりを見せたのがこの『マリア』です。
実質3人用ゲーム。プレイヤーはそれぞれマリア・テレジア、フリードリヒ、ルイ15世という人物を演じ、影響下にある国々を操作していくことで、オーストリア継承戦争での勝利を目指します。ユニット数を紙に書いてドン!と発表してみたり、あちらこちらで持久戦を引き起こしてみたりと、『数エーカー』以上にウォーゲームウォーゲームしているのですが、このマゾい感じはユーロ好きにもたまらないやつだと思うんだよなあ。
もちろんロマンもたっぷりだ!遊んでいるうちに歴史的な背景が気になってきて、マリア・テレジアに関する本を読んでみたりもしました。それからルールを読み直すとまた新たな発見があったり。
めっちゃくちゃ面白いのですが、ポンと遊ぶゲームではなくて、これのために3人集まって休日を1日潰す覚悟が必要。マリア会しましょうマリア会。





15.エルグランデ(El Grande)


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クラマー×ウルリッヒの名作。絶対面白いと分かっていながら未プレイだったわけですが、ようやく遊べました。
THEが付く感じのエリアマジョリティなのですが、使える駒の個数とアクション選択・実行順を天秤にかけつつ、盤上に撒く駒の個数とアクションの強さを天秤にかけるという、究極の選択2連チャンがよく効いてて、ひたすらに頭を抱えることになります。
大好きなのが、ラウンド毎のアクションカードが捲れて、皆で書かれているテキストを覗きこむとき。基本的に真剣なゲームですし、もちろんずっと真剣にプレイしているんですけど、なんかここだけ謎のパーティゲーム感ありません?ないか。
プレイ時間的にも結構ガッツリなのですが、大学時代の友人たちともキャッキャ言いつつじっくり遊ぶことができて、長く愛されている理由を感じることができたタイトルでした。






16.スペースベース(Space Base)


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めちゃくちゃ楽しい宇宙版街コロ!
お買いものしたカードを自分の手元に配置、出目によってそれらが発動し利益を得ていく、と書くと本当に街コロみたいだ。でも、カードを買うたびに「他人の手番の出目からだけもらえるボーナス」が積み重なっていくのが面白いところ。最終的に、自分の手番よりも他人の手番でもらえるものの方が豪華になるというこの仕組みは、システム的にもにんまりしちゃう出来ですし、実際に面白いのがまた良きです。
あとはスピード感!いずれかのプレイヤーが40勝利点に到達すると終了トリガーが引かれるのですが、ちょーっと目を離した隙に何十点と入ったりしていてビックリします。指数関数的にぶち上がっていく勝利点に、私のテンションもぶち上がっていくぞ。このレースっぷり好み過ぎてしんどいですね~~来年もちょいちょい遊んでいきたいです。






17.カール大帝(Carolvs Magnvs)


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コロヴィーニの2000年作品。
5つの色の支配権を取り合いつつ、自分が支配権を持っている色を使って、15の領土の支配権を取り合うという二重のマジョリティ対決。一進一退のヒリヒリとした展開が魅力で、基本的にアブストラクティな雰囲気が漂うのですが、補充できる駒の色がダイスで決まるのが最高のアクセントだ。これやりようによっては、真剣勝負感を台無しにしちゃいそうなところなんですけど、ゲーム全体が張り詰めすぎないように、程よくマイルドにしてくれている感じがしてめちゃくちゃ好印象だ。
あとは、盤面も状勢も考えるべきことも、ずっとダイナミックに変化していって楽しいです。ドラマがあるというか。で、何がメイクドラマ要素になっているかと考えていれば、やっぱりダイスを振らせるところなんじゃないかって結論に至るんですよね。本当に絶妙な塩梅。






18.大鎌戦役:フェンリス襲来(Scythe: The Rise of Fenris)


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大人気の『SCYTHE』、最終拡張は、11の拡張モジュールに加えて、全8話のキャンペーンゲームまで収録された、「SCYTHE一生お楽しみセット」になっています。本当にありがとうございます。
拡張モジュールのルール読んだり、入っている内容物色々開けたくなったりしちゃうんですけど、ここはグッと我慢して!!何よりも先に!!全8話のキャンペーンモードを!!是非!!同じ面子で!!完走してほしいです!!プレイ時間的にもハードルが高いのは間違いないですが、その労力を費やすだけの価値がそこにはあります。
いつものメンバーにご協力いただいて、平日夜、2話/3話/3話の全3回に分けてプレイしました。全体的に良い感じに進めていたのに、最終結果では2位に終わっちゃって悔しかった!『SCYTHE』に少しでもときめいたことがあるすべての人に遊んでほしい、本当に素敵な拡張です。






19.モンバサ(Mombasa)


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2018年は遊べていなかったメジャー所な名作を積極的に遊んでいこうという裏テーマ(?)があったのですが、当然と言ったらアレですけど、遊び続けられているだけあって面白いものが多いので、必然的にこの30選にもたくさんランクインしてきちゃうな。『モンバサ』もそんなタイトルの1つ。
株とダイヤと帳簿の3分野で頑張る経済ゲームです。カードによるアクションプロットと、その回収の仕組みがマーベラス。システム的にもきれいだし、実際に触ってみても楽しいって言い回しをよくするのですが、本当にすごいことだよな。
なかなかに息苦しくて、小さなミスが大きく響くスリル満点なゲームなのですが、その分巧く回せたときの気持ち良さがたまらんです。続編的な立ち位置の『ブラックアウト香港』と併せて、長く遊んでいきたいです。






20.アネクトパンチ


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テーマに沿って、親が好きそうなものやセリフ、シチュエーション等を発表していくコミュニケーションゲームです。システム的には目新しいものではないのですが、親が一番グッと来た人とグータッチをするというルールがシンプルに最高で、お酒飲みながら遊ぶならとりあえずこれ出すか~~ってなっちゃいます。
…でもこれは、「印象に残ったゲーム」というよりは「印象に残ったセッション」という側面が強いかもしれない。ヒロさん宅にて、酔いどれ男4人で遊んだあの夜のことは絶対忘れません。ここに書けるようなことがほぼ何もなかったな。全員すぐ席から立って小芝居したがって、ずっとゲラゲラ笑ってました。来年もやりましょう。






21.お星さまキラキラ(Twinkle, Twinkle, Little Star)


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ラベンスのキッズゲーム。
夏の星座にぶら下がるのがaikoなら、星を夜空にぶら下げるのがこの『お星さまキラキラ』です。ダイスを振って駒を進めつつ、夜空から落ちてきてしまった星をパチパチと壁にはめ込んでいきます。かわいい。
寝る前にお子様とちょっとだけ遊ぶために作られたゲームみたい。すべてがダイス目次第といった趣でゲーム性は皆無なのですが、このゲームが最高なのは終わった後!「楽しかったね~~じゃあそろそろおねんねしようね~~」といって部屋の電気を消すと!!なんと!!星と街がほんのり優しく光ってる!!お子様はそのままグンナイという寸法だ。こういうの好き過ぎてダメ。






22.でっけぇ馬鈴薯(Dicke Kartoffeln)


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『原始スープ』のデザイナーコンビの1989年作品。
品種はどうするのか。土はどれぐらい肥やすのか。化学肥料は投入するのか…頭を悩ませ、丹精込めて育てた馬鈴薯を、市場の動向を読みながら売りさばいていきます。
コンポーネントの質の低さと、処理の多さのゴチャついた感じには時代を感じますが、農業ゲームとしても経済ゲームとしても抜群に面白いですこれ。1~2ラウンドが終わり、フェイズとフェイズの結びつきが身体に馴染んでくると、「あー、じゃあここをこうすればこうで…ってことはこっちが、あっ、あー!!」ってなる。語彙力。4人でずっと面白い面白い言いながら2時間過ごしてました。これも1回遊んだきりなのでやり込みたいなあ。






23.ベルラッティ(Belratti)

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今年は初めてエッセンにも行ってきまして、旅行記書く書く言いつつ書かないまま年を越そうとしているんですけれども、現地で買ってきたタイトルの中の1つです。スカウトアクション1位タイ。
全員協力型の『ディクシット』みたいな感じ。なのですが、幻想的なイラストカードなんてものは入ってなくて、手錠だの、クラッカーだの、ポリバケツだの、見ればそれと分かる感じのシンプルなイラストカードがドンと入っています。
このゲームのヤバいところは、お題も、そのお題から連想される回答も、全部このシンプルなイラストカードで済ませちゃうところです。このイラストカードから連想されるイラストカードを出しました、それを当ててください、とこういう寸法だ。(そんなシンプルなこと…?)と思うかもしれませんが、これ幻想的なイラストカードなんか使うよりもよっぽど性格出ます。カードの出し方が人によって違いすぎる。ゲラゲラ笑いながら遊んでました。4、5人集まる時にあると嬉しいベリーナイス小箱だ。






24.ジ・エステイツ(The Estates)


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キック案件。『Neue Heimet』というゲームのリメイクだそうな。
ゴリッゴリの競りゲームです。シンプルなルール!雑な得点計算!救済措置はなし!バランスはプレイヤーに丸投げ!さあ遊べ!って感じ。最初にルール読んだときは(うーんなんかピンと来ない…)って印象だったのですが、いざ始めてみると「あれ???面白くね???」ってなりました。この手の投げっぱなし系ゲーム大体好きなので、評価甘めになっちゃう節はあるのですが。
街の開発がテーマになっていて、自分絡みの建物の価値を上げようと四苦八苦することになるのですが、もう全員が全員の邪魔してるようにしか見えなくてニヤニヤが止まりません。札束で殴り合う喜びが詰まった素敵タイトルです。






25.ワイルドランド(Wildlands)


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ワレスの60分弱ミニチュアゲーム。
ウォーゲーム出身の彼らしく、カードドリブンライクに自分のミニチュアを操作し、ダンジョンで戦闘&お宝集めに興じます。倒した相手のミニチュアとゲットしたお宝の合計が規定数に達したプレイヤーの勝利です。
ミニチュア同士の見分けが付きづらいし、プレイ感はもっさりしてるしで、決して手放しで称賛できるゲームではないです。でも!もう!そんなのどうでもよくなるレベルのこのワクワク感!この最高のテーマよ!もうなんだろう、しょうがないというか。最終的にこういうのずっと遊んじゃうんだろうなって思うもん。ズルいです。好き。






26.ニュートン(Newton)


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エッセン新作。ゲムマ秋に合わせて上京した際に、マイメンの菊子っちと、念願の初同卓となったコヨーテさん&おべべさんと遊んだ想い出のタイトル。
手札からカードを出してアクション!これを5枚で1ラウンド!シンプルだ。ラウンド終了時、使用した5枚のカードのうち1枚を自分のボードにセットしなければなりません。そのカード自体はもう使えなくなっちゃいますが、そのカードに書かれたアクションが以降のラウンドで強化されるという。悩ましい。
本棚の充実に旅に修行にとやれることがたくさんあって、色々やりたくなっちゃうんですが、やること絞ってやっていかないと勝てないタイプのやつだ。この手のやつは目移りしちゃうから勝てないマン。回数重ねて色々試してみたいです。






27.リンカーン(Lincoln)


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これまたワレス。今年は『数エーカーの雪』に『ワイルドランド』にと、本当にワレスに持っていかれた年でした。ちなみに去年は新旧『ロンドン』にノックアウトされてました。
南北戦争がテーマ。2人用で、カードドリブンで、ウォーゲームライクで、デッキいじりで、非対称で…とこう書くともう完全に『数エーカーの雪』じゃんってなるのですが、まったくの別物です。リシャッフルする度にデッキに加わるカードが決まっちゃってて、ゲーム中にそれ以外のカードを自分の意志でデッキに組み込むことはないので、「デッキ構築」の定義からは外れる感じ。特定の使い方をするとゲームから追放されちゃうカードをいつ使おうか、という部分にスポットを当てたこのシステムは、「デッキ分解」とでも呼ぶべき代物です。
やっぱりワレスの作るカードゲームは好きだ。誰か『数エーカー』とこれ交互に遊ぶ会やりましょう。






28.サンティアゴ・デ・コンポステーラ


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mor!さんのゲムマ秋新作。ワイは『ファイナルバーガー』の頃から注目しとったで!(突然の古参アピール)
そうだ、サンティアゴ行こう。んで、帰ってこよう。的なテーマ。『グレンモア』式の手番制で、『ペアーズ』構成のカードをゲット…までは良いんだけど、得点計算のさせ方が!!どうしたのあんた!!カードの種類数と、各種類の枚数、その並び順が全部大事になってくる得点計算なんですが…とにかく革新的過ぎてアツいです。
サンティアゴへの往路と復路で、合計2ラウンドあるのもいいですね。上記のようになかなか見ないタイプの得点計算なので、1ラウンド目は何をどうしていいか分からなくて点数が伸びづらいのですが、成長が感じられる2ラウンド目が嬉しいです。






29.Futuropia


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フリーゼのエッセン新作。タイトル読めないシリーズ。
ロボットがすべての労働をやってくれて、住民たちの食糧から生活維持に必要なエネルギーまでのすべてを生産してくれる、人類失業率100%の居住区をつくります。
プレイ感はとにかく地味!インタラクションもほぼ無いまま、自分の居住区のあっちをいじりこっちをいじりしながら、ひたすらに調整を重ねていく。でも調整の作業そのものがパズルチックで楽しいから、飽きは来ない感じです。
エッセン新作、『Futuropia』よりも面白いタイトルはいくつか思いつくのですが、印象に残ったタイトル30選となれば、なるほど入ってくるなって感じです。ディストピア感と、数学的な喜びに満ちた理屈っぽさが混ざり合って、なんだか独特の雰囲気なのよ。ゲーム的には平坦で平和かも知れないけれど、やっぱりこれはフリーゼにしか作れないタイトルだなと思います。






30.知略悪略(Mit List und Tucks)


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名作トリックテイキングゲームに日本語版が登場だ。
トリックテイキングと言えば、まず頭に思い浮かべるルールはマストフォローだと思うのですが、『知略悪略』はメイフォローです。リードカラーのカードを手札に持っていても、出してもいいし出さなくてもいい。
さらに、トリックで出されたカードの獲得にも一工夫。リードカラーで最も大きな数字を出したプレイヤーが半分を、それ以外の色で最も小さな数字を出したプレイヤーが余りを獲得します。得点計算も一筋縄ではいかないのですが、4色中2色を上手く集めていけば得点が伸びる感じ。
書けば書くほど慣れなくてピンと来ないルールですが、実際に遊ぶとその完成度に驚かされます。メイフォローってこんなにも助け合いながら殴り合う感じになるんですね。ずっとケラケラ笑いながら遊んでました。












というわけで、以上30タイトルでした!

間に合ってよかった…後半脳みそ酸欠気味で書いてるので、誤字脱字があればこっそり教えてください…





数字的な話をすれば、今年初プレイだったゲームが367個、累計のプレイタイトル数は1,156個になりました。

1日1タイトル以上新しいゲームに出会えた計算ですが、最後は友人各位が、私が未プレイの短時間ゲームを持ち寄ってくれて、下駄を履かせてくれたような形でした。いっしょに遊んでくださった&たくさん遊ばせてくださった皆様方に感謝です。ありがとうございました。



所持数は200~300をウロウロしてる感じかと思います。結構流動的に買ったり売ったりしてるので、管理全然できてないです。こ、怖くてしてないわけじゃないから!









数字的な話以外の話をすれば、2018年は公私ともに激動の年でした。

嬉しいことも数えきれない程ありましたが、そうではないこともたくさんあって、本当に多くの方にご心配やご迷惑をおかけしたり、助けていただいたりもしました。

2019年は、気にかけてくださった皆様にきちんとお返しができるように、そしてなりたい自分になれるように、CoolなHeadとHotなHeartを持って、毎日を大切に過ごしたいなと思ってます。

温かく見守っていただければ幸いです。









あっ、あとブログ更新派手にサボっちゃっててごめんなさい!!

こればっかりはもう気が乗らないと書けねえとしか言えねえ。

こんなふざげた更新ペースでも、読んでくださっている方がいらっしゃるのは本当にありがたいことだ…。これからもゆる~~く待っててもらえると嬉しいです。






もうこんな時間ですね!

実家で年越しそばをいただきまして、今からお風呂です。その後家族でボドゲできたらいいな。







それではまた来年!

2019年の私の、そして皆様のボードゲームライフもどうか、キャッチーでいてください!







2018年12月31日
ぬん