みなさんキャッチーですか。ぬんです。





この記事は、ボドゲ紹介 Advent Calender 2021 12日目の記事です。

企画はぐらちゃん!今年もありがとう!

今回で6年目の参加となりました。これがないとロクにブログも書けない。




昨日の記事は、かーん君の「ニューオリンズビッグバンド」の紹介

ゲームはめちゃくちゃ面白そうなのですが、「響け!ユーフォニアム」を未履修のくせに「響け!ニューオリズム」ってふざけた記事タイトル付けてるね???

まずはアニメシリーズから始めような。








さて。

我々はボードゲーマーなので、ボードゲームのテーマを通じて、様々な人物や役職、生き物、キャラクター等を演じることができます。



「アグリコラ」をやれば農民になれますし、「パンデミック」をやれば疫病根絶を目指す専門家チームの一員になれる。

「カタン」をやれば無人島の開拓者になれますし、「セーラームーン マスカレイドバトル」をやれば美少女戦士になれます(誰がダークキングダムサイドや)



「システムが~~」とか「ルールの美しさが~~」とか言ってる面倒なボードゲーマーになってもなお、ボードゲームのテーマによる疑似体験の楽しさって、やっぱり月の光に導かれ何度も巡り合うみたいなところあるじゃないですか。






今日ご紹介したいのは、今まで様々なテーマのゲームを遊んできたはずの皆さんが、それでもおおよそ体験したことがないであろう「あるもの」を演じるゲームです。











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ヴィンディケーション/Vindication(2018)
ゲームデザイン:Marc Neidlinger
出版:Orange Nebula, LLC
2~5人/15~30分×人数/14歳以上









「ヴィンディケーション」であなたが演じるのは、なんとあなた自身です。

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なるほど、操作キャラクターを表すタイルにも、ちゃんと「You」って書いてありますね。




しかも「ヴィンディケーション」で演じるあなたは、ただのあなたではありません。


贅沢の限りを尽くす不埒な暮らしを続けた結果、

仲間たちから見限られて船の外へと投げ出され、

死をも覚悟したもののなんとか見知らぬ島へと漂着した、

ものすごくみじめな状態のあなた
です。


そんなことある???




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キャラクタータイルの「You」の横にも、ご丁寧に「the Wretched(みじめったらしい)」の記載があります。

しかも5人で遊ぼうもんなら、同じ境遇の人間が5人も同じ島に流れ着いてるって状態でゲームが始まるんだな。どんな島やねん。





そんなみじめったらしい僕たち私たちですが、偶然流れ着いたこの島に、どことなく運命めいたものを感じています。

島で様々な功績を立てて、汚名返上・名誉挽回・臥薪嘗胆のリターンマッチと行こうや!
というのが「ヴィンディケーション」のテーマ。


ゲーム的に言えば、終了時に名誉点を最も多く持っているプレイヤーが勝者となります。








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セットアップ後の盤面はこんな感じ。
各プレイヤーが島の適当な岸へと漂着しています。




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島の全容はまだ掴めませんが、プレイヤーのいる場所に隣接するヘクスには、タイルが置かれていますね。

タイルを見てみると……ほうほう、「宿」「要塞」ですか。
どうやら高度な文明を持っている島のようです。








手番では、以下の3つのアクション全部を好きな順番でやりな!




アクション①! 移動!

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ヘクスの間を縫うように動くぞ!



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空いているヘクスに隣接すると、新たなタイルがゲームに登場!



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皆で島を開拓していこうね。

う~~ん、ワクワク度10点満点中6点!








アクション②! 訪問!

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自分に隣接しているタイルのうち、1ヶ所の効果を発動だ!



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タイルの効果はとにかく様々。

「宿」で仲間を勧誘してみたり、「ダンジョン」でモンスターを討伐してみたり、「司令本部」で移動速度を上げてみたり、「神秘の塔」で聖遺物を取ってみたり。

自分だけの未開拓島ライフを満喫しましょう。実質どうぶつの森ですね(違う)





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大体どこで何をしても、名誉点か、他のタイルの効果を解決するのに必要な資源が手に入る感じです。

う~~ん、ワクワク度10点満点中8点!








アクション③!起動!

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「宿」で雇った自分の仲間や、「あなた」自身の効果を使うぞ!



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資源が得られる他、仲間は能力をもたらしてくれたりもします。

う~~ん、ワクワク度10点満点中2点!








どうですかこのワクワク感!(ただし起動、お前はダメだ)


これをひたすらぐるぐる繰り返していき、名誉点を積んでいきましょうというのが「ヴィンディケーション」の概要なわけですが…

ここで「ヴィンディケーション」を最高のゲームたらしめるキャッチーポイント!

どーんと2点ご紹介だ!












キャッチーポイントその①!
みんなそれぞれ好き勝手なことやってて楽しそう!


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先述のとおり、場所を表すタイルには様々な種類があります。

基本ゲームだけでも11種類。モジュールもあれこれ収録されてて、最大で20種類前後ぐらいまで増やせます。

各タイルはめくれる順番も決まっておらず、自分の近くにあるタイルから使っていくしかない。





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これだけタイルがあると、どこで何をやればいいのか迷うところですが…

このゲーム、何をどうやっても名誉点やら能力やらが手に入るので、「目についたやってみたいことをやっていく」で概ね問題ありません。

「ほーん、移動してみたら古代の遺跡見つけたわ。ちょうど必要な資源も持ってるし、ちょっと寄ってみっか」つって、近所に新オープンのラーメン屋を見つけたぐらいの気軽さで、様々なアクションを試せます。





そしてどの処理もワクワクに満ちてて楽しい!



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かっこいい石を拾ってみたら、5名誉点もらえた上に、なんか回数制限付きでワープできるようになったんやが……




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最初は徒歩で移動してたのに、次からはジャイアント・モス(バカでかい蛾)に乗って移動することになったんやが……





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いくつか条件を満たしたら、「みじめったらしい」って書かれたキャラクタータイルが裏返って、なんか立派になったんやが……


こんなことが島のあちこちでポコポコ起こります。






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さらにさらに、ゲーム開始時に各自1枚目標カードを持っています。

「めっちゃ仲間を雇いな」とか「ジャイアント・モスで移動できるようになりな」とか書いてあるのよ。





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結果どうなるかと言えば、各々自分の思いのままのことをやってて、なんでそんなことをしてるかは分かんないけど、なんか皆楽しそうみたいな絵面になります。


すごく一生懸命モンスターばっかり倒してる人!

その横には、色んなタイプの仲間を勧誘して回ってる人!

その上を爆速で翔けていくジャイアント・モス!



しかも忘れちゃいけない。これやってるのあなた自身ですからね。

乗ってんのよ。ジャイアント・モスに。あなたが。




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冗談っぽく「どうぶつの森」の名前を挙げたりもしましたが、このお祭り感・ハチャメチャ感・サンドボックス感が1~2時間かそこらのボードゲームで楽しめるの、めちゃくちゃいいんだよな。







と、ここまで読んでいただいた皆さんの中には、こんな意見をお持ちの方もいらっしゃるかも知れません。

「はいはい、雰囲気ゲー乙♨」つって。

「どうせ戦略性のかけらもないアメゲーなんでしょ!」つって。




「ごちゃごちゃうるせえな、お前もみじめったらしくしてやろうか???」と言いたくなるところをグッと堪えて、ご紹介したいキャッチーポイントその②!
それでいて、パワー&資源管理がユーロっぽい!




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ゲーム開始時、各プレイヤーはパワーボードと呼ばれるボードを1枚を持ちます。

パワーボードは、「ポテンシャル」「影響力」「確信」という3つのエリアに分かれていて…



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ゲーム開始時にはこんな感じでキューブが置かれている。のびしろしか無いわ。




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察しの良い方はなんとなくピンと来るかも知れませんが、「テラミスティカ」のパワーと似たような取り回しをします。




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「パワーを1ゲットしな!」って言われるたびに、ポテンシャルのキューブ1個を影響力に動かすか、




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影響力のキューブ1個を確信に動かそうね。





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このゲーム、メインで使っていくのは中央の影響力

自分の仲間を起動するぞー!って時には、影響力のキューブ1個をその仲間上に置くし…




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赤色の資源2個をゲットするぞー!って時にも、影響力のキューブ2個を、メインボード上の赤色の資源ゾーンに置きます。

資源トークンみたいなものはなくて、メインボード上にキューブを置いて資源数を管理するんだね。





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そんなことをやってると、影響力はあっという間に枯れちゃいます。何もできね―じゃん!




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というわけで、「聖堂」というタイルを訪れて、自分の仲間上のキューブを影響力へと戻してみたり…




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「修道院」を訪れて、ポテンシャルを影響力に進めてみたりするわけですな。




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一番左のポテンシャルは一切使いみちがないので、さっさと影響力に上げてしまいたいところです。

反対に、一番右の確信はかなり用途が限られる感じ。ここぞというときに使います。


パワーをマネジメントする楽しさがありますよ、って話を踏まえた上で…






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資源が全部で6種類あるんですよね。




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でも、仲間や自分自身、場のタイル等から得られる資源は、赤・青・黄色の基本の3色のみ




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「ダンジョン」でモンスターを討伐してみたり、「神秘の塔」で聖遺物を取ってみたりといった名誉点がたくさんもらえそうなアクションには、オレンジ・緑・紫の上級資源が必要になるわけです。





じゃあどうすればいいかって、フリーアクションで基本資源を混ぜて上級資源を作るんだな!


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赤と青を混ぜれば…


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紫よ! 絵の具!




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資源2個が資源1個に変換されたわけですが、余ったキューブ1個は影響力に返ってきます。





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派手な見た目とアメリカンなテーマを持ち合わせておきながら!

やらされることは、地味でユーロ的なキューブ管理や資源変換!



こんなんアレじゃん、クラスではギャルっぽい感じなのに、家では帰りが遅い両親のために年の離れた弟の面倒を見る、優しくて真面目な女の子のパターンのやつじゃん。

ホリミヤで見ました。











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ってことで、アメゲーとユーロのいいとこ取り! これが「ヴィンディケーション」だ!




そもそもですね、見てくださいよ箱の中身。


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こんなにミニチュア入ってるわけ。

もうこんなの絶対アメゲーじゃないですか。

ミニチュア同士でバチバチ戦わせて、ダイス振ってダメージ与え合ったりするじゃないですか。



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でも基本ルールで使うミニチュア、1個だけなのよ。

しかも何に使うと思います? スタートプレイヤーマーカーだぜ?




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残りのミニチュアは、ヴァリアントルールやモジュールで使っていくわけですが……

各プレイヤーが建てることができるモニュメントを表してたり、プレイヤー全員が協力して倒すことになる大いなる存在を表してたりで、まあぶっちゃけ無くてもルール上は問題ないのよ。





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全然プレイヤー間で攻撃し合わないじゃん。

それぞれのやりたいことやらせてくれるじゃん。

でも、こんなにミニチュア詰められちゃったらアメゲーだと思っちゃうじゃん。

というか、事実コッテコテのアメゲーだと思って、存在は認識していたものの2、3年スルーし続けてたじゃん。


騙されるなよみんな!! 面白いぞ!! 遊びな!!






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他にも、「終了条件をゲーム中に増やす」という迂遠なアプローチで収束性を担保してたり、大量に収録されてるモジュールの半分ぐらいがどうにも上手く機能してなくて空気だったりと、ツッコミどころ満載。

その全容は、みじめったらしいあなた自身の目で確かめてみてくれ!








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というわけで、「ヴィンディケーション」のご紹介でした!


まだまだ終わらないボドゲ紹介 Advent Calender 2021、明日の担当はまあやちゃん!

いっちょキャッチーにやっちゃいな!